”マスターから紹介してもらったT電器店で中古のテレビを買ったんだけど、写りが悪くて参ったよ。叩くと暫らくはよくなるんだけど、しょっちゅう叩きっぱなしだよ"
お客様から苦情を言われ、私はT電器店に電話をしました。
”とに角、量販店の安売りや価格破壊で我々のような商売はもうやっていけない。大型店や資本化にしか目を向けない今の政治が悪い”
こちらの用件も聞かず、自分の考えを一方的に長々と話し、漸く間があきました。
”なに、叩かないと写らない、うんと叩きなさい。戦後子供が悪くなったのは叩かなくなったからだ”
そういって一方的に電話を切りました。
通信54号
あやかちゃんは小学4年生。私の店のすぐ隣りに住んでいて、最近ちかくのマンションに引っ越しました。
このマンションに出前に行くと必ず声をかけてきます。
ある日"入賞したの"と遠くから走ってきました。
”そうか体育か音楽かな"と私。
"何言ってるの。妊娠したって言ってるのよ”
”エエッ"思わず少女の顔とお腹をみました。
”レントゲン撮ったら三つ子なんだって”
そうか、あやかちゃんのお母さんの事か、納得した私は"大変だね、三人のお姉さんになって"と励まします。
”ソウナノ、エサ代もかかるし、それで売る事にしたの”
”大人をからかっちゃダメだよ。人間の赤ちゃんを売ったりできないんだよ”
”おじさん少し変じゃない。ウチの犬のことよ”
通信48号
出前を届けました。
『子供が風邪を引いて何も食べたくないっていうの。何か食べなくては治りませんよ、と無理やり聞きましたら、ラーメンなら食べれる、っていうの。
それもおじさんのラーメンしか食べないっていうんですよ』
翌日一人のお年寄りが店に来ました。
『私は脂っこいものは苦手で、おソバ党なんだけど、風邪を引いて何も食べたく無いのに、昨日孫はお宅のラーメンだけはたべたんです』
具合が悪くても食べられるラーメンが気になって、やっと歩いてきたといいます。
通信47号
『私、ラーメンが好きじゃないんです。あのベトベトしたラードこってりのスープ、味の素に頼った風味の無いしょっぱさが嫌いです』
カウンター越しに話しかけてきます。
『無理やりつれてこられたんです。この方があまりにも薦めるものですから』と仕方なく口をつけました。
おいしくないラーメンを食べてきた彼女の言い分はもっともです。話に花が咲きました。
話が一段落し、お互いにフト気づくとドンブリの中はカラッポでした。
通信46号
永井滋氏は、H6〜8年にかけて東京からわざわざ北海道までラーメンを食べに来ました。
その数は180店。事前に調査した上の事です。そして19店を特選しました。私の店がその中に入っていました。
以下は、氏のラーメン道中記から抜粋です。
1 札幌では中央区についで豊平区のラーメン店がレベルが高い
2 かってのように、ラードと調味料がきつく、しょっぱいだけの味は 消えおいしくなったが、入れ替わりが激しい。
3 札幌では旭川ラーメンが急成長している。
特に和知(旧旭川ラーメン月寒』のような店が注目される。
4 汚いけれどうまいとか、横柄だけどうまいといった店はない。
頂いた冊子にはこうしたことが細かく記されていました。